昔々 或るところにとてもヒマな神様が居ました。退屈凌ぎに天地創造の遊びを思い付きました。
天を創り 大地を創り 様々な動植物も・・・
ところが・・・ どうした事か、ヒルも創ってしまったんです。
あ! イケネ・・・ ヤッチマッタぜ。と思ったでしょうね
間違えたなら、取り消すとか やり直すとか。 うん 普通は、そうしますよね。
ところが そうは行かないんですよ。なにしろ神様と言えば、完全無欠にして正確無比。
永遠不滅にして全知全能の絶対的な存在ですから。
取り消しとかは、自らの過ちを認める事になります。神様としてのプライドがありますから。
いやはや はてさて なんとも かんとも どうにも こうにも にっちも さっちも
はしにも ぼうにも つりがねにも ちょうちんにも さて どうしたもんか・・と思案投げ首。
そんな時、天使の一人が神様に御進言。
もしもし神よ 神さんよ と唄ったかどうか判りませんが。
神様 申し上げます。うん 何だ? はい 日本の真ん中辺りのハダノと言う場所をご存知ですか?
知っているか? だと おい お前な オレを一体誰だと思ってるんだ!
大体だな この世の中の神羅万象は、オレが全部仕切ってるんだぞ!
あ はい 失礼しました。あなたは完全無欠にして正確無比。永遠不滅にして全知全能の神様ですよね。
いや まだまだ認識が浅いな。オレはだな 更にさらに
融通無碍にして変幻自在 唯一絶対にして空前絶後の無二の尊体なんだぞ!
あ はい お見それしました。良く肝に命じます。
うん ま 判りゃイイんだ。で そのハダノがどうした?
ハイ かの地は風光明媚にして気候温暖。暮らしている人間達は、勤勉実直にして温厚篤実。
更に、眉目秀麗にして容姿端麗なのです。更に更に、明朗闊達にして質実剛健なのです。
更に 更に更に、頭脳明晰にして自主自律 公明正大にして泰然自若なのです
それがどうした? 結構な事だろ。 はい 余りにも恵まれすぎではないかと思いますが。
で・・・ オレにどうしろと? はい この者達には何か試練が必要かと。
なるほど 試練か。言われてみれば確かにそうかもシレン。
天使に「ハダノに試練を」と進言され,例の厄介者を思い出しました。
そうだ アレをハダノに押し付けてしまえば一石二鳥じゃないか!!
で、例の厄介モノをハダノにばら撒いたんです。
しかも、何を思ったか、産めよ増やせよ・・・・・ と
以来、ハダノの住人達は、吸血鬼と果てしの無い闘いを強いられる事になったのです。
晩秋から早春までの寒い時期には活動しない様にしたのは
神様の「せめてもの気遣い」だったのかもね。
|
|